競馬をはじめたらよく耳にする言葉が「万馬券」という言葉。以前は単勝・複勝・枠連がメインの馬券でした。
これらの馬券で高配当になることが少なかったこともあり、払い戻し金額が高額になる万馬券には特別感がありました。
しかし、3連単・3連複が出るようになってからは、1日のレースで何度も万馬券が出ることがあります。そのため、よほどの高配当でもない限りニュースになることが少ないのは確かです。
それでも、簡単に出るものではないので、高配当の万馬券を的中させることができれば嬉しい気持ちになるのは変わりないでしょう。
しかし、いくらはじめたばかりとはいえ、「言葉の意味がわからないから」といってなかなか聞きにくいものですよね。
そこで、この記事では今さら聞けない万馬券の意味や豆知識について説明していきます。この記事を読むと、知ったかぶりをしなくても済むようになるので、最後までしっかりとお読みください。
万馬券とはなに?
特別感が薄れつつあるとはいえ、競馬ファンであれば初心者・ベテランを問わず誰もが的中させたいと思っているのが万馬券です。
万馬券は払い戻し金額と関わりがあります。
ここでは、払い戻し金額の意味と万馬券の意味について解説していきます。
払い戻し金額は100円あたりで計算される
「万馬券」の意味について説明する前に、払い戻し金額について説明しましょう。
払い戻し金額というのは、馬券(勝馬投票券)が的中した場合に受け取ることができる配当金のことです。テレビの画面や競馬場でアナウンスされる金額は、100円あたりで計算されます。
例えば、100円分の馬券を10枚購入し、そのすべてが的中して500円の配当がついた場合、あなたは500円×10枚=5,000円の配当金を受け取ることができるのです。
なお、配当金などの情報は順位が確定しなければわかりません。レース後に行われるのが順位(着順)の確定作業です。
ここで、走行妨害などを疑われる動きがあった、もしくは同着だった場合は、ビデオ確認などを行って順位を確定します。
モニターに「審議」と出た場合は、着順が変わる可能性があるので、購入した馬券を捨てないように注意してください。
配当金が1万円以上ついた馬券を「万馬券」という
万馬券というのは、最小購入単位あたりの払い戻し金額が1万円以上ついた勝馬投票券(馬券)のことをいいます。
先にも書いたとおり、配当金は購入馬券の最小単位100円あたりで計算されます。つまり、払戻率でいうと100倍以上(※)になる馬券がこれに該当します。
※:払戻率=払い戻し金額÷100円
1,000円分買っていた場合は10万円、1万円分であれば100万円の払い戻しが受けられる計算ですね。
10万円以上の配当がつく場合は10万馬券、100万円以上であれば100万馬券と呼ばれます。もしくは、これらすべてを総称して特大万馬券と呼ぶこともあります。
万馬券には別の呼び方もある
長年やっている人であれば、「マンバ」や「マンシュウ」と呼んでいる人もいます。
競馬と同じ公営ギャンブルである競艇の用語で「万舟券」という言葉があり、これを縮めて「マンシュウ」と呼んでいるようです。
競馬場やWINSなどの場外馬券売り場で、こういった用語が飛び交っていたらすべて万馬券のことなので、頭の片隅においておくといいでしょう。
万馬券はそう簡単に出ない
当然のことながら、馬券にも当たりやすいもの、当たりにくいものがあります。
ここでは万馬券が出にくい理由や実際に万馬券が出る確率など、万馬券にまつわる雑学を紹介していきましょう。
万馬券が出にくい理由
2002年に3連複、2004年に3連単が導入されてからは、1日に行われる複数のレーズで100倍(払い戻し金額1万円)以上の高配当が出るようになりましたが、以前は万馬券が出ることさえ珍しいことでした。
その理由としては、販売される馬券の種類にあります。
2001年までは単勝・複勝・枠連・馬連・ワイドと、比較的的中率の高い馬券しかありませんでした。
的中率が高いということはその分配当率(オッズ)も低くなるので、よほどレースが荒れない限りは万馬券が出にくいということになります。
種別ごとの万馬券出現確率
応援馬券とインターネット投票限定のWIN5を除く、中央競馬における万馬券レース(2019年)の件数を馬券種別ごとに見ていきましょう。
年間レース数:3329
- 単勝 31件(0.9%)
- 複勝 0件(0%)
- 枠連 85件(2.6%)
- 馬連 402件(12.1%)
- ワイド 228件(6.8%)
- 馬単 798件(24.0%)
- 3連複 1148件(34.5%)
- 3連単 2528件(75.9%)
ここから見ると、年間に行われるレースのうち4分の3超で1万円以上の配当が出ていることがわかります。参考までに販売される馬券が5種類しかなかった2001年は、全体で439件ほどでした。
しかし、馬単・3連複・3連単が加わった2004年は1357件と、万馬券が出たレースは約3倍に増えています。
これを2001年と2019年で比較すると約5.8倍の増加率なので、よほどの特大なものでもない限りは比較的万馬券を狙いやすくなったといえるでしょう。
現在発売されている馬券は9種類
現在発売されているのは競馬場やWINSで購入できるものが9種類、インターネット投票限定のものを含めると以下の9種類です。
- 単勝
- 複勝
- 枠連
- 馬連
- ワイド
- 馬単
- 3連複
- 3連単
- WIN5
それぞれの馬券がどのようなものか覚え、万馬券を狙っていきましょう。
単勝(条件:出走する馬が2頭以上)
もっともシンプルな馬券で、どの馬が勝つかを馬番号で指定する馬券です。
1頭を選ぶだけなので、初心者にもおすすめです。
複勝(条件:出走する馬が5頭以上)
3着までに入る馬を馬番号で指定する馬券です。ただし、出走する馬が7頭以下であれば、2着までが的中となります。
複勝は一番オッズが低い券種となるため、万馬券を狙うには不向きです。
枠連(条件:出走する馬が9頭以上)
2着までに入る馬を、枠番号で組み合わせます。ただし、組み合わせが当たっていれば、着順は関係ありません。
また、発売開始時に8頭以下となっても、同じ枠に2頭以上が出走する場合は発売されます。
馬連(条件:出走する馬が3頭以上)
2着までに入る馬を、馬番号の組み合わせで指定する馬券です。
組み合わせが当たっていれば、着順は関係ありませんがオッズが低い傾向にあるので、万馬券を狙うのは難しいかもしれません。
ワイド(条件:出走する馬が4頭以上)
3着までに入る馬のうち、2頭の組み合わせを予想します。組み合わせが当たっていればいいので、着順は問われません。
ただし、3着が同順の場合に3着同士の組み合わせになっていた場合は、不的中となるので注意が必要です。
馬単(条件:出走する馬が3頭以上)
2着までに入る馬を着順通りに予想する馬券になります。
レース展開を読む力が必要となりますが、万馬券が出ることも珍しくありません。
3連複(条件:出走する馬が4頭以上)
3着までに入る馬の組み合わせを馬番号で予想する馬券です。
組み合わせとして当たっていればいいので、着順どおりでなくても的中となります。
3連単(条件:出走する馬が4頭以上)
3着までに入る馬の組み合わせ(馬番号)を、着順通りに予想する馬券です。
着順どおりでないと的中しないため、難易度としては高くなるものの、配当は高くなりやすくなります。
WIN5(インターネット投票限定)
JRAが指定する5レース全部の1着馬を当てる馬券です。
全部当たらないと的中にならないので、難易度はかなり高くなりますが、宝くじのような高額な払戻金になる場合があるので夢のある馬券でしょう。
まとめ
この記事では、万馬券の意味と万馬券にまつわる雑学について書いていきました。
的中率の高い馬券ばかりだった頃は、万馬券の的中確率も全レース中の13%前後でした。しかし、3連複・3連単が出たことで万馬券が出るレースも多くなってきています。
それでも、的中が難しいことを考えると憧れの馬券といえるでしょう。