初心者・ベテランを問わず、誰しも的中させたいと思うのが万馬券。以前は単勝・複勝・枠連がメインだった馬券も、新しい種類が出るようになり、今では10種類の馬券があります。
そんな数ある馬券の中で的中させやすいのが複勝です。
この記事では、複勝とはどのような馬券なのか、オッズ(倍率)はどのようにして決まるのか、「複勝で万馬券は出るのか?」という疑問を過去のデータから紐解いていきます。
目次
複勝とはどんな馬券?
複勝というのは、基本的には3着までに入る馬を馬番号で指定して購入する馬券です。
例えばあるレースで18頭の馬が出走して、実際の着順が1着14番、2着が16番、3着3番だったと仮定しましょう。あなたが購入した馬券が3番であれば、3着に入っているので的中というわけです。
ただし、出走停止などの理由により出走馬が5頭以下になった場合は、競走中止となり発売されません。
また、5頭以上7頭以下の場合は2頭までに入る馬を指定することになります。
複勝はもっとも的中率が高い
最近では、三連単や三連複・WIN5のように10万円近い高配当を見込める馬券が注目されがちです。
しかし、 三連単は3着を順番通りに当てなければなりません。
3連複は順位は問わないものの3着に入る馬をすべて的中、WIN5は指定レースの1着馬をすべて当てることが必要です。そのため、的中率はかなり低くなります。
その点、複勝は1着から3着に入る馬のうちいずれか1頭を当てればいいので、18頭出走するとして3頭のうちいずれかであれば6分の1。
基本的な的中率は16.7%なので、数ある馬券の中でももっとも高い的中率です。
大きな配当が得にくい側面はあるものの、予想の精度を高くして何度も的中させることができれば、コツコツと軍資金を増やすことができます。
そのため、競馬初心者だけでなく競馬で生計を立てている「馬券生活者」と呼ばれるベテランの方も、この複勝馬券を組み合わせて購入しています。
複勝のオッズの仕組み
レースのオッズを見ると、単勝のオッズは1.5や30.5などのように明記されているのに対し、複勝のオッズは1.1-1.3もしくは8.4-15.0などのように幅を持たせた書き方となっています。
これは的中時の最低配当と最高配当が書かれています。つまり、複勝は着順によって配当が変わるのです。
わかりやすく書くと、配当はハズレ馬券への投票金額を的中馬券にへ均等に振り分けることで成り立っています。
複勝であれば、4着以下に終わった馬への投票金を3着までに入った馬に振り分けているわけです。
複勝は3着に入る馬を的中させるので、3パターンあります。つまり、着順が確定するまでオッズも確定しないため、幅をもたせているわけです。
人気馬の着順によってオッズの高低がかわる
当然のことながら、人気馬は多くの人が3着以内に入ると予想するので、投票金額も多くなります。
一方、不人気馬が3着以内に入るとは予想しくいので、投票金額も少なくなるでしょう。
ここから考えると、2つの結論が導き出されます。
- 人気馬が3着以内であれば、配当も少なくなる
- 人気馬が4着以下の場合、配当は多くなる
自分の選んだ馬が3着以内に入るかも大切ですが、人気の高い馬が3着以内に入りそうかという点も重要です。
複勝で万馬券を狙えるか?
同じ馬券でも、ワイドであれば3着までに入る馬のうち2頭の組み合わせを当てなければなりません。
馬連であれば2着までの組み合わせを、馬単であれば1着と2着を着順通りに当てる必要があるので、的中率も低くなるでしょう。
しかし、複勝は3着までのいずれかを当てればいいので、当てやすい馬券です。そこで気になるのが、「複勝で万馬券を狙えるのか?」という点ではないでしょうか。
ここでは、過去のデータを紐解いてみたいと思います。
過去のレースでは数えるほどしか万馬券が出ていない
実際に2009年~2019年までのレースを見ると、複勝で万馬券が出たのは19例しか出ていません。
- 2009年 2件
- 2010年 1件
- 2011年 2件
- 2012年 4件
- 2013年 2件
- 2014年 2件
- 2015年 0件
- 2016年 2件
- 2017年 1件
- 2018年 3件
- 2019年 0件
36,619レース中19件で確率は0.05%、1,927レースに1件という計算です。
過去に出た高配当の複勝を見ていきましょう。
- 2010年6月26日(福島・3歳未勝利・芝1,200メートル)払戻金16,110円 16番人気
- 2012年7月28日(小倉・唐津特別・ダート1,700メートル)払戻金14,390円 15番人気
- 2012年3月25日(阪神・3歳未勝利・ダート1,800メートル)払戻金14,080円 12番人気
- 2016年10月22日(新潟・3歳以上500万円以下・ダート1,200メートル)払戻金13,620円 15番人気
- 2009年1月11日(京都・3歳未勝利・ダート1,400メートル)払戻金12,280円 15番人気
複勝で万馬券が出たレースを見ると、15番や16番など人気の低い馬であること、2,000メートルまでの短距離レースで見られることがわかります。
また、3着以内に入った他の馬を見ても、人気馬(1番人気・2番人気)が同時に3着以内に入ったレースはなく、いずれかもしくは両方とも4着以下に終わっていることも特徴です。
競馬はそのほとんどのレースがほぼ人気通りの結果に終わることが多いことを考えると、かなりの高いハードルというのがおわかりいただけるかと思います。
人気馬が3着以内に入る確率は60%前後
単勝のオッズで1番から3番人気の馬は、複勝でも最低倍率は1.1倍~1.5倍になる傾向です。複勝の的中基準は、投票した馬番号が3着以内に入るかどうかになります。
こうした人気馬は多くのレースで3着以内に入っており、その確率は60%前後です。レースにもよりますが、複勝では1番人気と2番人気が揃って3着以内に入ることも珍しくありません。
また、これは複勝に限ったことではありませんが、ほとんどのレースで人気通りの結果になりやすい側面があります。
ここから考えると、万馬券が出にくいのもある程度納得できるでしょう。
馬券が無駄にならないような買い方を
ここまでで説明したとおり、複勝で万馬券が出るのは極めて珍しいケースです。
多く出た年でも年間2~3レースほどで、2019年のように1レースも出なかった年も決して珍しくありません。
それでも、「できるだけ高配当を狙いたい」というのは誰しも同じ思いでしょう。
複勝は3着までに入る馬のうち、あなたが購入した馬番号が入れば的中になります。そうなると的中パターンは3通りなので、2点買いまでは許容範囲です。
万馬券は難しくてもできるだけ高い配当を狙いたいのであれば、穴馬(オッズ2.0倍以上)を2つ買うことをおすすめします。
2つとも当たればそれなりの高配当になりますし、ハズレても100円であれば200円です。
闇雲に買うのではなく、購入レースを絞った買い方を考えてみましょう。
まとめ
この記事では、「複勝で万馬券は出るのか?」について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
複勝は3連複や馬連などと異なり、なかなか万馬券は出にくい傾向にあります。
出ても年に数回あるかどうかなので、穴馬が来そうなレースなどに絞って購入するなど工夫をすることが大切です。